ファンダンゴーアウロラ・バルガス

fandangos naturales(ファンダンゴス・ナトゥラレス)は、リズムなしで歌われるpalo(曲種)のひとつです。

 

スペインのカンテコンサートなどでは定番曲。私のイメージですが、ほかの曲種よりもストーリー性があるといいますか。起承転結がはっきりしているといいますか。一節歌うごとに、観客からハレオ(オレ!などの掛け声)が飛び、「結」の部分で盛り上がりが最高潮に達します。

 

なのでファンダンゴを聴くときほど、スペイン語が分からなくてもどかしいと思うことはありません(笑)話のオチが、ひとりだけ分からなくて周りの熱狂から取り残される感があります。。(まあ音楽的に、といいますかフラメンコ的に聴いているだけでも充分感動できるのですが)

 

昔、セビージャ郊外の街Dos Hermanas(ドス・エルマナス)のフェスティバルに行ったことがあります。夕方8時ごろ~夜中にかけて、ドス・エルマナスの若者から大物スターまで順番に出て歌うのですが全員がファンダンゴでした。いちばん盛り上がったのがEl Cabrero(エル・カブレロ)の時。地元のスター歌い手、という感じのおじいちゃんです。ファンダンゴを、ずーっと歌い、観客も、飽きずにずーっと熱狂していてそれはそれはすごい盛り上がりでした。

(このフェスティバルの目玉は本当は次に出てきたArcangel(アルカンヘル)でしたが、大半がカブレロを聴いて満足して帰ってしまいました)

 

 

こういうこともあり、ファンダンゴ好き=aficionado(アフィシオナード、愛好家)というイメージがすごく強いです。瀧本さんのペーニャでも数人でファンダンゴを回し歌いしていたり・・・私も歌いたい!

 

 

前置きが長くなりましたが、アウロラ・バルガスのファンダンゴです。

 

Igual que la Dolorosa

Tiene mi madre la cara

No creo que es ilusión

Es que mi madre es la más hermosa

Que yo no le veo comparación

 

Yo te tenía junto a mí

Soñando contigo estaba

Y era tan grande mi sorpresa

Que al verme sola y sin ti

Yo creía perder la cabeza

 

Y fui al nido y la cogí

Y una paloma blanca yo te traigo

La madre se quedó llorando

Como yo lloré por ti

La solté y se fue volando

 

 

(Igual que...)

聖母Dolorosaと同じような

顔を私の母はしている

それが幻想だとは思わない

なぜなら母はいちばん美しいから

比べるものが見当たらないほど

 

(Yo te tenia...)

いつもあなたが側にいた

あなたの夢をみていた

だから驚きは大きかった

あなたがいなくなり、ひとりになった時

頭が狂うかと思った

 

(Fui al nido...)

巣に行き、連れ帰ってきた

白い鳩をきみにあげよう

母鳩は泣いていた

私がきみのために泣いたように

放すと飛び去っていった