カンテ学習用。アンダルシア方言の発音の仕方

フラメンコの踊りを習っているので、カンテ(歌)の意味も知りたい、スペイン語を勉強したい!という人は多いのではないでしょうか。

 

ラジオ講座を聴く。近所のスペイン語教室に通う。

 

スペイン語の基礎知識がつけばOK!・・・と思いきや、意外と

 

「何言ってるかぜんぜん分かんない(涙)」

 

(´;ω;`)

ですよね。

 

 

ちょっとカンテも覚えたいな~と思って歌詞を調べてみても、

 

「聴こえてくる発音、文字とちがう?!」

 

と思ったことありませんか。

 

 

 

そう、フラメンコはスペイン南部・アンダルシア地方の文化ですから

カンテもアンダルシア訛りで歌われます。

 

これがまた、標準スペイン語と聞こえ方が結構ちがっていて厄介なんです。

慣れれば問題なし、愛着も湧いてくるんですけどね~(^_^;)

 

今日はアンダルシア弁の発音の特徴について、解説したいと思います☆

 

 

 

ひとことで言うとアンダルシア方言は「なまけ者のことば」


「なまけ者」と言うとアンダルシアの人をディスっているようですので、

「エコなことば」とでも言い換えましょうか・・・

(ノンビリした人が多いのは事実ですが)

 

とにかくアンダルシア方言の特長として

 

省略が多い

 

というのが挙げられます。

 

言葉のアクセントや単語は標準スペイン語と変わりませんが、言葉が短縮されたり子音が脱落したりします。たとえば

 

para パラ(~のために)

 

はアンダルシア方言で

 

pá パー

 

となります。アンダルシアの人に「パティ、パティ!」と言われたら

 

"Para ti. パラ ティ(きみにあげるよ)"

 

の意だと理解しましょう(⌒-⌒; )

 

 

ほかにも

 

"¡Chiquillo!" チキージョ 「(呼びかけで)おい!」

 

 

「quillo キージョ」もしくは「illo イージョ」

 

になります。

こうやって、どんどん簡略化されていくんですね・・・

 

 

このように、単語自体が短くなるという特徴がまずひとつ目です。

 

 

子音「d」「s」「z」を発音しないだけで、アンダルシア方言ぽくなる


次に、「子音の脱落」です。

 

これをマスターするだけで、相当フラメンコっぽく歌うことが出来るようになります(笑)

 

読まれなくなるのは、ザックリと

 

①単語の最後の「z」

②単語の頭以外の「d」と「s」

 

です。(あくまでもザックリとなので、例外はあります)

 

 

①はわりと簡単。たとえば「アンダルシア弁」を意味する「andaluz(アンダルース」は

 

「アンダルーッ」

 

になります。「z」は全く無視されるわけではなく、日本語でいう「っ」のような発音になって残ります。

 

 

省略できるのは「z」が単語の最後に来ているときだけです。

zumo スーモ(ジュース)、のような場合は読み飛ばせません。

 

そして早速、例外的に「d」が発音されていますね。

基本的に先頭に来ている場合以外は「d」は省略です。例外のルールもあるのかもしれませんが、今のところ思いつきません・・・!

 

 

そして②つめ

 

¿Dónde ess?

-Estoy en el supermercado.

(どこにいるの?/スーパーにいるよ。)

 

太文字が省略されます。カタカナにすると

 

「ドンデッタァ?」

「エットイ エネル スゥペルメルカーオ」

 

「s」も「z」と同じく、「っ」の発音になって残ります。

 

スペイン語では複数形を作る時に、英語と同じく語尾に「s」を付けます。

しかし、アンダルシア方言ではこれらの「s」はすべて読み飛ばされてしまうことになります。

 

hijo イホ(子ども) ⇒ hijos イホ(子どもたち)

 

単数でも複数でも、読み方が同じになります。

 

日本人にとっては、単複の区別をつける必要がなくてラッキー?

(ΦωΦ)フフフ…

 

 

慣れれば日本人にとっても易しいことば


その他の特徴として、「s」と「c」および「r」と「l」の区別をしない、というのもあります。(若干地域差ありますが)

 

そもそも日本人にはこういう発音の使い分けもできないので、これまたラッキー☆

 

じつはアンダルシア方言って話すときに細かいこと考えなくて良いので、とってもラクです。

 

まちがった文法のまま覚えてしまう可能性はありますが・・・

( ˙▿˙ ; )

 

 

そしてこれは若干難しい内容ですが、2人称複数と3人称複数の混同使用というのもあります。

 

たとえば「きみたち帰るの?」の文。

 

標準スペイン語:¿Vosotros os vais? ボソトロス オス バイス?

 

アンダルシア方言:¿Ustedes os vais? ウッテデェッ オス バイ?

 

スペイン語では動詞の活用は主語に合わせなければいけません。2人称複数「きみたち」は「vosotros」です。「ustedes」というのは「あなた方(=3人称複数)」を指します。このように2人称複数の代わりに3人称複数を持ってくる、なおかつ動詞の活用は2人称複数のまま(=os vais)という特徴も、アンダルシア方言にたまに見られます。

 

 

おまけ◎以上を踏まえて聴いてみて


有名な「verde(ベルデ)」というルンバです。

カウロス・サウラ監督の映画”Flamenco”にも収録されている一場面です。

 

これまでの話を思い出しながら、歌詞と実際の発音を比較してみて下さい。

省略されている文字に気をつけるだけで、歌詞もリズムよく取れるようになりますよ。

 

 

 

スペイン語の発音は、アルファベット見たままなので結構目で追いやすいです◎

 

ベルデ ケ テ キエロ ベルデ・・・

 

 

アルファベット、慣れない方は一度カタカナに起こしてみてもいいかもしれません。

 

*省略される子音は太文字にしてみました。

 

*yo te quiero verde, sí sí

yo te quiero verde, ay ay

yo te quiero verde

 

Verde que te quiero verde
verde viento verdes ramas
el barco sobre la mar
el caballo en la montaña

 

Con la sombra en la cintura
ella sueña en la baranda
verdes ojos, negro pelo
su cuerpo de fría plata

Compadre quiero cambiar
mi caballo por tu casa
mi montura por tu espejo
mi cuchillo por tu manta

 

Compadre vengo sangrando
desde los Puertos de Cabra
y si yo fuera mocito
este trato lo cerraba

 

Compadre, quiero morir
decentemente en mi cama
De acero, si puede ser
con las sábanas de holanda

Compadre donde está dime
donde está esa niña amarga
cuantas veces la esperé
cuantas veces la esperaba