セビージャの情景を歌ったブレリア

こんにちは、フラメンコ舞踊家みのもはるかです。

踊りだけでなく、カンテ(歌)について調べたり練習したり。こちら【カンテとスペイン語】ではカンテに関する話と、主に日本語訳を載せていきます!

 

今日はセビージャの歌い手Juana la del Revuelo(フアナ・ラ・デル・レブエロ)について。

 

私自身がセビージャにしか住んだことがないので、自然と普段から聴くフラメンコもヘレスとかよりはセビージャ寄りです。中でもフアナのブレリアとタンゴが大好きで、この人を生で観たかったなぁといつも思っています。(フアナは2016年に亡くなっています)

 

フアナさんの動画をいくつも観ていると、すごく耳に残る歌が。

それが"He tenido la suerte de nacer en Sevilla"のフレーズでした。

「セビージャに生まれて幸せだ!」

歌い出しからして街自慢の香りがすごいです。

 

よくよく耳を澄まして歌詞を聴き取ってみると、

セビージャに住んだことのある人なら誰もが共感する、セビージャの趣ある情景が次々と。

私ですら頭の中に鮮明なイメージが写ります。

 

本当に素敵な街です。セビージャ。

 

 

He tenido la suerte de 

Nacer en Sevilla

A la otra orilla del

Guadalquivir

 

En un viejo patio

Con mucha macetas

Oliendo a yerbabuena

Y a flor de jazmín

 

Pasear por la Torre del Oro

Camino de los toros

Y en Feria de Sevilla

 

Y mirar esas lindas carrozas

Con esas bellas mujeres

Vestidas de mantilla

 

No se puede explicar

Es como el cuento

De las mil y una noche

Un hada y su barita

Lo han hecho realidad

 

 

 

セビージャに生まれて幸せだ

グアダルキビルの対岸に

 

古い中庭には

植木鉢がたくさん

香るのはミントと

ジャスミンの花

 

トーレ・デル・オロ(黄金の塔)と

闘牛場の前を散歩する

そしてフェリア・デ・セビージャ(祭り)では

美しい馬車を眺める

中にはマンティージャ(レースショール)で着飾った

美しい女性たち

 

言葉では言い表せない

まるで千夜一夜物語の情景

妖精がその杖で

現実のものにしたかのようだ

 

 

 

グアダルキビル川というのはセビージャを流れる大河。昔は交通の要所として使われていました。

この川を挟んだ向こう側に有名な「トリアーナ地区」があります。かつてはヒターノたちの居住区で、豊かなフラメンコが育まれた土地です。歌詞の中で「グアダルキビルの対岸に」とあるのは、おそらくトリアーナ地区のことを言っているのでしょう。

 

川沿い(セビージャ側)には「黄金の塔」「マエストランサ闘牛場」があります。現在でも人気の観光地であり、地元の人にとっての散歩道でもあります。

 

セビージャの「フェリア」は毎年4月に開催される有名なお祭りです。まるまる1週間、街全体がお祝いモードに。会場まで馬車で向かう人の姿もあります(ちょっとリッチな人たちです・・・!)。出店や移動遊園地もあり、食べたり飲んだり、そして「セビジャーナス」を踊りながら楽しく過ごします。

(フェリアについては【スペインの春祭り「フェリア」の楽しみ方】でも紹介しています)

 

美しい街の情景を「まるで物語のワンシーンのようだ」と例えて詞は終わっています。

練習してぜひ歌えるようになりたい^^

 

 

グアダルキビル川沿い。中央あたりが闘牛場、橋のふもとにあるのが黄金の塔です
グアダルキビル川沿い。中央あたりが闘牛場、橋のふもとにあるのが黄金の塔です