エンリケ・モレンテ〈ソレア・ポル・ブレリア〉

こんにちは、フラメンコ踊り手みのもはるかです。

 

≪聴き取ってみたシリーズ≫と称しまして、YouTubeに上がっている巨匠たちの歌を、書き起こすという作業をコツコツと続けています。自分の歌の勉強と、趣味の一環です。歌の意味を知るというのは本当におもしろいですね。

 

一曲全体を聴きとるというのはなかなか難しくて(時間もかかる)、なかなか更新できていませんでしたが。今日はエンリケ・モレンテのソレア・ポル・ブレリアについて。

 

 

コンパスがゆっくりとしていて、速さのブレも少なく、聴きやすいので昔から踊りのマルカール練習なんかするときに良くこの曲をかけていました。

 

そして最近はクラスの曲がソレア・ポル・ブレリアになったので、パルマの練習に使うなどものすごくお世話になっている曲です。

 

しかしカンテを、レトラそのものを、じっくりと聴いたことがないということに気が付き。(エンリケ・モレンテさんに申し訳ない・・・!)

耳をフル回転させ、google先生にも頼りつつ歌詞を書き起こしてみることに。

 

そうすると一連のソレアのカンテの、もの悲しさに、しみじみ。。。としてしまいました。

 

そして意味を噛みしめながら動画を見返すと、エンリケ・モレンテの表情がまさにfatiga(ファティーガ、苦しみ)を訴えかけているようで。それまでの、薄っぺらい動画鑑賞の仕方では分からなかったことが自分に少し届いた気がしました。

つくづく、歌の意味を知るということは大切なんだと感じます。

 

 

 

Anda y cuéntale esas quejas

Al que fuera tu enemigo

Al que tu enemigo sea

Al que fuera tu enemigo

Que hasta el corazón me duele

De hacerlo bien contigo

Anda y cuéntale esas quejas

Al que fuera tu enemigo

 

 

Nadie a mi cama se arrime

Que estoy ético de pena

Que estoy ético de pena

Nadie se arrime a mi cama

Que estoy ético de pena

Que estoy ético de pena

Que el que de mi mal se muere

Hasta la ropa le queman

Nadie se arrime a mi cama

Que estoy ético de pena

Que estoy ético de pena

 

誰も私のベッドに近づくな

悲しみの病に臥しているから

私の不幸にも死してくれる人が

服まで焼かれている

 

Que no las puedo aguantar

No las puedo aguantar

Se juntan unas con otras

Como las olas del mar

Mis fatigas son tan grandes

Que no las puedo aguantar

 

耐えられない

私の苦しみのなんと大きいこと

ひとつ、ふたつと繋がり襲ってくる

まるで海の波のように

 

Quién pudiera penetrarlo

Quién pudiera penetrarlo

Para ponerle remedio

Antes de que viniera el daño

Males que acarrea el tiempo

Quién pudiera penetrarlo

 

時が引き起こす災いを

誰が予知できるだろうか

その苦しみが訪れる前に

備えることはできない

 

Pañuelo le eché a la cara

Y para que no comiera la tierra

Que la boquita que yo besara

 

顔にハンカチをかけてあげた

土が入らないように

私がキスをするその口に

 

Se visten de colorado

Y yo me visto de negro

En pensar que me has dejado

Las estrellas del cielo

Se visten de colorado

 

空の星は

赤く染まる

私は黒い服

お前は私を置いて行ってしまった

 

Se lo achacaban a mi cuerpo

Dicen que tiene delito

Pero yo no se lo encuentro

 

私の体のせいだと

罪深いと人は言うけれど

私にはそう思えない

 

 

 

訳は少し意訳したところもありますし、

人によっては解釈がちがう、、って思われるかもしれません。

 

フラメンコの歌って、比喩とか、遠回しな表現が多くて。

俳句みたいですよね、読み手側が、情景を想像しないといけない。

 

ここでは7つのソレアの歌が歌われていますけど

一般的にフラメンコの歌はそれぞれが独立しているので、トータルで「起承転結」の物語になっていることはありません。

 

が、なんだかこの歌詞を見る限り、情景が共通しているような。

妻を亡くした夫の(もしくは逆の)嘆きの歌のようだなと思いました。

 

最初と最後の歌は、意味が私にもよく分からなかったです。。勉強不足、知識不足。

(cuerpo=体 なぜ??)

 

enemigo(敵)とか出てくるし、何を指すんだろう。恋敵?

浮気されたショックで命を絶ってしまった??(フラメンコの歌詞にありそうな設定^^;)

 

はたまた、何の意図もないのか。

妄想が膨らみます。

 

(昔、こういう想像(妄想)が得意な生徒さんがいました。元気にしてるかな・・・!)

 

 

今後もクラスや練習でこの曲をかけながら、

妄想し続けたいと思いますw

(^^)

 

 

読んでいただきありがとうございました!

 

 

 

 

同テーマ【聴き取ってみたシリーズ】の動画

 

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