Pansequito(パンセキート)という、カディスの歌い手が先日亡くなられました。
普段は有名人が亡くなっても、あまりピンとこない私ですが
パンセキートさんは直に歌を聴ける機会があり。その、まさに達人技とも言えるカンテに衝撃を受けました。
という心に深く刺さった思い出があったため、訃報を聞いて悲しい気持ちです。
この動画が大好きで、歌われているレトラたち、特に最後のno me importa〜
勉強しようと何回も何回も聴きました。
でも聴くたびに自分の取ったものと、ここが違う、ぜんぜん違う、と、なるんです。
カンテの超絶技巧とも言える歌い回しで、パンセキートさん、なんとも自然に歌い上げています。そして見る動画が違えば別の歌い方で歌っている…
大好きなカンタオールでしたので、あの、生で聴けた一度のコンサートはとても貴重な体験でした。
私はフラメンコを始めてまだ15年ほどの若輩者ですので
「黄金時代」を生きたと言われるアーティストたちの多くを、直接見聞きすることができませんでした。
フェルナンダ、ベルナルダ、ファルーコ、カマロン・・・CDやビデオでしか知りません。
きっと生で感じる彼らのアルテは、とてつもなく壮大なのだろうなと思う一方
今、見聞きできるartistaもまだまだたくさんご存命。
そんな彼らをお目にかかれる日が来たならば、その機会を逃してはいけないなと思いました。
良いアルテは、きっと良きアフィシオナード(愛好家)たちによって長く長く愛でられることでしょう。
パンセキートさん、話したこともないいち日本人ですがひそかにお悔やみ申し上げています