今年もルイス・ペーニャが日本にやってきました

今年もルイスのクラスに行ってきました。感動で心の充電満タンです。


Luis Peñaルイス・ペーニャはFesteroフェステーロという、自ら歌って踊る、というスタイルの人です。タブラオや劇場での仕事もしますが、いわゆるバイラオール(踊り手)、カンタオール(歌い手)ではありません。


彼らの本域はフィエスタ、レウニオン、家族や友人との集まりで自然に発生するフラメンコです。私たちからすると、例えば正月に親戚が集まる。みんな大体フラメンコ好き、な中に、めちゃくちゃ歌や踊りのうまいおっちゃん、オバチャンがちらほらいる。周りの親戚は、かけ声や手拍子で盛り上げる。めちゃ盛り上がる。そうやって遊ぶのが彼らの慣習です。


しかもただのカラオケ上手、ではないのがすごいところ。時に上品に、時に面白おかしく、場を飽きさせない新鮮な空気で常に活き活きとしています。

フィエスタ=酔っぱらいの大騒ぎ、では決して無く。個人の持つ個性、アルテ(芸術性)と、他者を尊重する謙虚さと、何よりフラメンコ愛に満ちた

至高の遊び(笑)のようなものです。



アカデミックではない、フラメンコ。

フラメンコの起源そして真骨頂とも言えます。が、時代・生活様式の変化とともに場所も人もうしなわれ

今や絶滅危惧な文化でもあります。


話が飛躍しましたがルイスはそんなフィエスタを現在進行系で生きている数少ない存在です。



数々のフィエスタを生き、各地方のマエストロ達と時間を共にした彼だからこそ知るフラメンコの奥深さを、彼ならではの、静かで落ち着いた方法で伝えてくれます。


いわゆる振付は、彼は教えません

コンパスのクラスでも、シンプルなbaseのコンパスしかやりません

カンテのレトラを次々に教えてくれたり…もしません


彼が教えてくれるのは、奥に潜むdetalleディテールの部分


踊りなら、その一瞬にどのようにparar(止まる)するか、どのようにregoger(レマーテを自分のものとして回収)するか


コンパスがどのように、活き活きと回り続けるか


歌には、いかにsentimiento感情を乗せながら歌うか



そしてこれらすべては必ず結びついて

大きなフラメンコの渦を生み出すのだと


なにより彼自身が体現してみせてくれます



con mucho cuidado 丁寧に

sin prisa 急がないで




シンプルだからこそ、難しい。

決して一朝一夕では会得できない。(できた気になってはいけない)


謙虚に学び続けること、と毎回毎回、話して説いてくれて

私もその度に、振付振付・・・となりがちな思考を、アルテのあるべき道に引き戻してもらえている気がします



すごく偉大な人でありながら

オヤジギャグで笑わしてくれるチャーミングさもまた魅力(笑)



来年も生ルイスに会えるのを楽しみに。

そしてよきフラメンコ時間をcompartir共有できるように、私もまたコツコツと積み上げようと思いました。